はじめに


兵庫宝塚カイロプラクティック院長の一色雅仁です。
このブログを読まれているあなたは、もしかすると「最近、膝の痛みが気になってきた」「仕事や家事の合間に階段を使うのがつらい」と感じていませんか?実は、そんな悩みを抱える女性が近年とても増えています。特に40代後半から50代にかけては、体のバランスや筋肉の使い方の変化により膝の負担が一気に増える時期でもあります。
宝塚カイロにも同じような悩みを抱えた方が多く来院されます。今日は、その中のお一人Mさんのケースをもとに、膝の痛みをやわらげるための考え方と、体を整えるアプローチをお伝えします。
「また膝がズキッ…」Mさんの朝

「今日も一日、ちゃんと動けるかな…」
Mさん(48歳・保育士)は、朝ベッドから起き上がるたびに、心の中でそっとつぶやきます。布団から足をおろし、そっと体重をかけた瞬間、右膝のあたりがズキッと痛む日もあれば、重い鉛のように感じる日もある。痛みの強さは日によって違うのに、「またか」と肩が落ちる感じだけは、いつも同じです。
本当なら、朝の静かな時間に、ベランダの植物の様子を眺めたり、今日の子どもたちの顔を思い浮かべたりして、穏やかな気持ちで一日を始めたい。それなのに、真っ先に頭に浮かぶのは、「今日は階段、大丈夫かな」「園庭でどこまで動けるかな」という小さな不安ばかりでした。
庭いじりも子どもと遊ぶことも、少しずつ遠のいて

Mさんは、もともととても活動的な方です。休みの日にはお気に入りのお店を巡り、季節のケーキを楽しみ、家では庭いじりに夢中になる。土に触れていると、忙しく張りつめていた気持ちがほっとゆるむようで、花の色づき具合に一喜一憂するのが何よりの楽しみとのことでした。
でも、膝の違和感を覚え始めてから10年ほどの間に、少しずつ、少しずつ、その楽しみが削られていき、しゃがむ姿勢がつらくなり、庭いじりの時間は短くなり、長く歩くお出かけも「今日はやめておこうかな」と諦めることが増えていきました。保育園でも、前のように全力で子どもたちと追いかけっこをすることが難しくなり、「先生、こっち来て!」と呼ばれても、心のどこかでブレーキをかけてしまう自分がいます。
「年齢だから仕方ないよね」と周りに言われれば言われるほど、心の奥に、言葉にならない悔しさのようなものがたまっていきました。
病院や整体に通っても「不安だけが残る」日々
そんな中で、Mさんはちゃんと行動もしてきました。整形外科を受診し、変形性膝関節症と言われたときには、「ああ、やっぱり」とショックなようなホッとしたような気持ちになったそうです。リハビリに通い、鎮痛薬や湿布も試しました。しばらく通って少し楽になると、「これで大丈夫かも」と前向きな気持ちになった時期もあります。
でも、忙しい仕事や家事の合間に通い続けるのは簡単ではありません。接骨院や整体にも通ってみたものの、「その場は楽なんだけど、また痛くなったらどうしよう」という不安がいつも頭の片隅に残っていました。
「このまま、少しずつできないことが増えていくのかな」
そんな未来を想像してしまうと、誰にも言えないさみしさがふっと胸の中に広がる。そんな日が、何度もあったと話してくれました。

なぜ膝だけを治しても、楽になりきれないのか

ここで、少しだけ専門的な話をさせてください。
痛みを感じている場所は膝ですが、その負担をつくり出しているのは、膝だけではありません。長時間の立ち仕事で崩れた姿勢、片足に体重をかけるクセ、股関節や足首のかたさ、さらには日々のストレスからくる筋肉のこわばり…。そういった小さな要素が積み重なって、「膝にばかり負担が集まる体の使い方」が出来上がってしまうのです。
だからこそ、膝だけを一生懸命にマッサージしたり、痛いところにだけ注目していても、根っこの部分が変わらなければ、どうしても「戻りやすい」状態になってしまいます。Mさんが感じていた「また痛くなるんじゃないか」という不安は、体が教えてくれている大事なサインでもあるのです。
体と心、そして脳。すべてはつながっている

たくさんの患者さんの体に触れながらそこで強く感じたのは、「体と心、そして脳の働きは、切り離せないひとつながりのものだ」ということです。
不安や心配ごとが多い時、私たちの筋肉は無意識のうちに硬くなり、呼吸は浅くなり、体の動きはぎこちなくなります。すると脳は、「今は安全ではないかもしれない」と判断して、痛みというサインで動きを制限しようとします。膝の痛みも、単なる「部品の故障」ではなく、「これ以上無理をしないで」という体と脳からのメッセージなのかもしれません。
私が腰痛から学んだ「痛みとの向き合い方」

もともと私自身も長年腰痛に苦しんできた人間です。
会社勤めで営業の仕事をしていた頃の話ですが、「この痛みとは一生付き合っていくしかないのかな」と半分あきらめていた時期もありました。しかし良い先生に恵まれたおかげで施術を続けていく内に体が変わっていき、少しずつ出来ることが増えていって希望が心に灯った経験もしています。
腰痛が良くなっていった過程で学んだのは、「痛いところを責めない」「体を敵にしない」という姿勢でした。
痛みがあると、「なんでこんな体なんだろう」「もっとちゃんと動いてほしいのに」と、自分の体を責めたくなってしまいます。でも、本当は逆で、痛みが出るのは「守ろうとしている」サインでもある。そこに気づいてから、自分の体を少しずつ信じられるようになりました。
その経験があったからこそ、兵庫宝塚カイロプラクティックの開院から一貫して、患者さんと向き合う中でも、「痛みと戦う」のではなく「体と味方になる」お手伝いをしたいと、ずっと思い続けています。
Mさんの体に起きていた“小さなゆがみ”たち

初めて来院された日のMさんは、「膝の痛みで、外に出るのが少し怖くなってきたんです」と、少し申し訳なさそうに話してくれました。
立ち方や歩き方を見せてもらうと、右膝をかばうように体重を左側に逃がし、そのぶん骨盤がねじれ、上半身もわずかに傾いていました。ご本人は「昔から姿勢が悪くて…」とおっしゃいましたが、膝を守ろうとして生まれた小さな工夫が、全身のバランスを変えてしまっていたのです。
施術では、いきなり膝を強く押したりはしません。まずは呼吸の深さを整え、頭と背骨、骨盤の位置関係をやさしく調整しながら、「体が安全だと感じられる土台」をつくっていきました。脳が「もうそんなに力まなくて大丈夫だよ」と判断し始めると、自然と筋肉の緊張がゆるみ、膝にかかっていた過剰な負担も少しずつ変わっていきます。
少しずつ、でも確かに変わっていく毎日

数回の施術を重ねるうちに、Mさんの表情は、少しずつ柔らかくなっていきました。
「この前、久しぶりに園庭で子どもたちと一緒に走ってみたんです。全力疾走とはいきませんでしたけど、『あ、前より怖くない』って思えました」
そんなふうに話してくれた日の笑顔は、とても印象的でした。庭いじりの時間も、以前より少しだけ長く楽しめるようになり、お気に入りのお店にも「今日は行ってみようかな」と思える日が増えてきたそうです。
もちろん、魔法のように一晩で全部の痛みが消えるわけではありません。それでも、「前はできなかったことが、少しずつ戻ってきている」という感覚は、何よりの希望になります。Mさんは今、「もう一度、痛みをあまり気にせずに子どもたちと全力で遊べるようになりたい」と、明るい目標を口にしてくれるようになりました。
あなたが今日からできる、小さな一歩

ここまで読んでくださったあなたも、もしかしたらMさんと似た気持ちを抱えているかもしれません。最後に、今日からでもできる、膝と体にやさしい小さな習慣をいくつかお伝えします。
・いきなり立ち上がらず、座ったまま膝を軽く曲げ伸ばししてから立つ
・長時間同じ姿勢でいない。1時間に1回は、椅子から立ち上がって伸びをする
・片足にだけ体重を乗せて立つクセに気づいたら、両足にそっと体重を分ける
・「痛いから動かさない」ではなく、「痛くない範囲でやさしく動かす」を意識する
・「膝が悪い体」ではなく、「がんばりすぎている体なんだ」と見方を変えてみる
どれも小さなことですが、続けていくと、体が少しずつ変わっていくきっかけになります。
膝の痛みをきっかけに、自分を大切にできる人生へ

膝の痛みは、ただつらいだけの存在ではありません。それは、忙しい毎日の中で、後回しにしてきた「自分の体と心」にやさしく目を向けるチャンスでもあります。
「もう年だから」「仕方ない」と自分に言い聞かせながら、本当はどこかで諦めきれない気持ちを抱えている方を、これまでたくさん見てきました。そんな方たちが、痛みとともに少しずつ表情を取り戻し、「また旅行に行きたい」「孫と思いきり遊びたい」と話してくださる瞬間に、治療家としての大きな喜びを感じます。
もしあなたが今、「このまま膝の痛みと付き合っていくしかないのかな」と感じているなら、どうか一人で抱え込まないでください。体は、正しいサポートを受ければ、年齢に関係なく変わっていく力を持っています。
兵庫宝塚カイロプラクティックでは、痛みだけを見るのではなく、その人の暮らしや気持ちに寄り添いながら、一緒に「こうなりたい未来」を探していきます。膝の痛みであきらめかけていた日常を、もう一度取り戻したい方へ。ここから、少しずつでも前に進んでいけるよう、心をこめてお手伝いしていきます。
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