吃音は愛情不足のせいと思う前に読んでほしい

こんにちは、宝塚で治療院を営んでおります一色です。今日は「もしかして私の愛情不足が原因で子どもが吃音になったのでは」と、ひとりで悩みを抱えている親御さんに向けてお話ししたいと思います。お子さんの吃音に気づいたとき、真っ先に自分を責めてしまう方は本当に多いんです。でも先に結論からお伝えすると、吃音の原因が愛情不足だという医学的な根拠はありません。まずはその誤解を一緒にほどいていきましょう。

院長:一色
院長:一色

診療で多くのお母さんから同じ悩みを聞くたびに、まず伝えたいのは「あなたのせいじゃないですよ」ということです

吃音の原因は本当に愛情不足なのか

「厳しく育てたから」「甘やかしすぎたから」など、育て方に原因を探してしまうのは自然な感情です。ですがここで整理しておきたいのは、吃音研究の世界で愛情不足が原因だと証明されたことは一度もないという事実です。子どもの発話の仕組みは、脳の中で言葉を組み立てて口に出すまでの連携作業のようなもの。その連携がうまくいかず、言葉が詰まったり繰り返されたりするのが吃音の正体だと考えられています。

誤解が広まった背景

昔は「親のしつけが原因」という説が世間に広まっていた時期がありました。今もその名残でおばあちゃん世代から「もっと愛情をかけてあげて」と言われることがあるかもしれません。ですが現在の専門的な見解では、吃音は体質的・発達的な要因が大きく関わるとされていて、育て方だけで説明できるものではないとされています。だからこそ、まずはご自身を責める気持ちを一度手放してほしいのです。

実際に考えられている要因

吃音の背景には、いくつかの要素が重なっていると考えられています。特に多いとされる要因を整理してみましょう。

  • 言語発達のスピードと発話のコントロールがうまくかみ合わない時期であること
  • 家族に吃音の経験がある場合、体質的に似た傾向が出やすいこと
  • 言いたいことが増えるほど、頭の中の処理が忙しくなりやすいこと
  • 緊張や興奮など、そのときの心身の状態が症状の出方に影響すること

こうして見ると、愛情のかけ方という単純な話ではなく、もっと複雑な要因が絡み合っていることが分かります。だからこそ「自分の育て方が悪かったのかな」と一人で結論づけてしまうのは、少しもったいないことなんです。

自分を責めてしまう親御さんへ伝えたいこと

ここからは、私が治療院で多くの親子と接してきた経験を踏まえてお伝えします。お子さんの吃音そのものよりも、実は親御さんの心の疲れの方が心配になることがよくあります。

親の不安が子どもに伝わることもある

子どもはとても感覚が鋭いので、親が話し方を気にして眉をひそめたり、言い直しを求めたりすると、それを敏感に感じ取ってしまいます。すると余計に緊張して、症状が強く出てしまうことも少なくありません。大切なのは話し方を直そうとすることより、話す内容や気持ちに耳を傾けてあげることだと私は考えています。ゆっくり話してと促すよりも、うんうんと相づちを打ちながら聞いてあげる方が、子どもの心はずっと落ち着くものです。

親自身のケアも忘れないでほしい

子育て中の方は、自分のことを後回しにしがちです。でも自分を責め続けている親御さんの体は、知らないうちに緊張が続き、自律神経が乱れやすくなっています。肩や首がこわばっていたり、夜眠れなかったりする方も多いんです。心と体はつながっているので、親御さん自身の緊張がやわらぐと、家庭全体の空気も自然とやわらかくなります。そういう意味でも、ご自分のケアを軽く見ないでいただきたいと思います。

家庭でできる関わり方のヒント

専門的な言語訓練は言語聴覚士など専門家の領域ですが、家庭の中でできる小さな工夫もたくさんあります。ここでは日常生活の中で意識したいポイントをまとめてみました。

場面意識したいこと
会話をしているとき話し方より内容に反応する、最後まで待つ
症状が出たとき指摘せず、いつも通りに接する
寝る前の時間ゆったりとした雰囲気で会話の時間をつくる
園や学校との連携先生に状況を伝え、無理に発表を強要しないよう相談する

こうした小さな積み重ねが、子どもにとって「話すことは怖くない」という安心感につながっていきます。焦らず、少しずつでいいので試してみてください。

専門機関への相談タイミング

ここまで家庭でのケアについてお話ししましたが、症状が長引く場合や、園生活・学校生活に影響が出ている場合は、専門機関への相談も検討してほしいところです。目安として、症状が半年以上続いている、本人が話すことを避けるようになった、といった変化が見られたら、一度言語聴覚士や発達相談の窓口に相談してみることをおすすめします。決して急いで結論を出す必要はありませんが、早めに相談することで安心材料が増えることも多いです。

おわりに

吃音の原因は愛情不足ではありません。これは私が治療の現場で多くの親子と接してきた中で、はっきりとお伝えしたいことです。むしろ大切なのは、お子さんの話に耳を傾け続けることと、親御さん自身が緊張を溜め込みすぎないことだと感じています。もし今、誰にも言えずに一人で抱え込んでしまっているなら、どうか無理をしないでください。私たちの治療院でも、お子さんとの関わり方に悩む親御さんの心と体のケアについてお話を伺っています。どんな小さなことでも構いませんので、いつでも気軽にご相談くださいね。


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院長:一色
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最後までお読みくださりありがとうございました。