吃音症の原因は自律神経にあった?

突然ですが、「話そうとすると言葉が出てこない」「同じ音を繰り返してしまう」そんな経験が続いていませんか。

それはもしかしたら、吃音症のサインかもしれません。本人はとても苦しいのに、なかなか周囲に理解してもらえないのがこの症状のつらさです。

この記事では、吃音症の症状や原因、そして日常生活での向き合い方について、なるべくわかりやすくお伝えしていきます。

院長:一色
院長:一色

「どもり」と言われてきた症状に、ずっと悩んでいる方からのご相談が増えています。脳と自律神経の視点からアプローチすることで、変化を感じてもらえることも多いんです

吃音症ってどんな状態のこと?

吃音症とは、話したいのに言葉がスムーズに出てこない、あるいは同じ音を何度も繰り返してしまうといった、発話にかかわる症状のことをいいます。一般的には「どもり」と呼ばれることも多く、子どもの頃に発症するケースが多いとされていますが、大人になってからも続いたり、成人後に初めて症状が出てくる方もいます。

大切なのは、これが「性格の問題」でも「努力不足」でもないということです。吃音は脳の発話にかかわる神経システムの働きと深く関係しており、本人の意志だけでコントロールするには限界があります。

「緊張しているからどもる」と言われることもありますが、それだけではありません。リラックスしているはずの場面でも症状が出ることは珍しくなく、当事者にとって「なぜ今?」という経験が積み重なることで、二次的な不安や自己否定につながってしまうことも少なくありません。

吃音症の症状には3つのパターンがある

吃音症の症状は大きく分けて3つのパターンで現れます。この3つは単独で出ることもありますが、複合して現れることもよくあります。自分や身近な方の症状がどれに当てはまるか、一度確認してみてください。

連発(れんぱつ)

「わ・わ・わたしは」のように、語頭の音や音節を何度も繰り返してしまうパターンです。吃音症の中でもっとも目立ちやすく、周囲に気づかれやすい症状です。本人は「繰り返したくない」と思えば思うほど、身体が余計に緊張してしまい、繰り返しが止まらないという悪循環に入りやすくなります。

伸発(しんぱつ)

「わーーたしは」のように、特定の音を引き伸ばしてしまうパターンです。声が続いているため一見わかりにくいこともありますが、本人はその音から抜け出せない感覚があり、かなりの緊張とエネルギーを要します。電話や初対面の会話など、緊張を感じる場面で出やすい傾向があります。

難発(なんぱつ)

難発は「ブロック」とも呼ばれ、言葉を出そうとした瞬間に声がまったく出なくなってしまうパターンです。口は動いているのに声が出ない、という状態を経験している方は、この難発に当てはまることが多いです。三つの中でもっとも本人の苦しさが大きく、「声が出ない自分」への自己嫌悪にもつながりやすいです。

なぜ吃音症は起こるのか?原因を知ることが第一歩

吃音症の原因について、かつては「育て方が悪い」「親の過干渉が原因だ」などと言われた時代もありました。しかし今では、そうした考え方は否定されています。現代の研究から見えてきた原因は、大きく二つに分類されます。

発達性吃音:生まれつきの神経発達と関係している

幼児期(2〜5歳ごろ)に始まる吃音の多くは「発達性吃音」と呼ばれます。言葉の発達が急速に進むこの時期、脳の中の発話にかかわる神経回路の発達がうまくかみ合わず、吃音として現れると考えられています。遺伝的な要因も関係しているとされており、家族に吃音のある方がいるケースも少なくありません。

発達性吃音は、成長とともに自然に軽快するケースも多く見られます。一方で、症状が定着してしまうかどうかには、周囲の関わり方や本人のストレス環境が大きく影響します。子どもの吃音に気づいたとき、頭ごなしに「ゆっくり話して」と言うのではなく、まずそのままを受け入れてあげることがとても重要です。

獲得性吃音:後天的な脳の変化やストレスが引き金に

一方、成人してから症状が出てくる「獲得性吃音」もあります。脳梗塞や頭部外傷などの神経学的な変化が引き金になることもありますが、強いストレスや自律神経の乱れをきっかけに発症・再発するケースも報告されています。

特に近年、仕事や人間関係のプレッシャーが強い環境に置かれている方に、このタイプの吃音が増えている印象があります。体と心、そして脳の働きが密接につながっているということを、ここであらためて感じていただけるはずです。

自律神経と吃音症のつながり

吃音症と自律神経の乱れは、切り離して考えることができません。自律神経は、呼吸・心拍・血流・筋肉の緊張など、身体のあらゆる機能を無意識のうちにコントロールしています。そして発話という行為もまた、呼吸・喉の筋肉・舌・唇など多くの器官が精緻に連携することで成り立っています。

緊張したとき、交感神経が優位になると呼吸は浅くなり、喉や首まわりの筋肉は固まりやすくなります。そのとき言葉が出にくくなる、というのは体の自然な反応でもあります。しかし、慢性的に交感神経が優位な状態が続いていると、日常のわずかな緊張場面でも体が「危険モード」に入ってしまい、吃音の症状が出やすくなってしまいます。

自律神経のバランスを整えることは、吃音症への対処を考えるうえで非常に重要な視点の一つです。当院でも、脳と自律神経の働きを整えるアプローチを通じて、発話のしやすさが変わったとおっしゃる方がいます。

吃音症が日常生活に与える影響

吃音症を抱えている方が、もっとも苦労するのは「予測できない場面」への恐怖です。電話、会議での発言、自己紹介、初対面の挨拶——これらはどれも「うまく話せないかもしれない」という不安が先に立ちやすい場面です。

就職活動で面接がうまくいかなかった経験を持つ方、職場での電話対応が怖くて仕方がない方、人前での発表を避け続けてきた方——そういったご相談を、当院でも少なからずお聞きしてきました。症状そのものより、症状を持つことへの恐怖や羞恥心が、生活の質をより大きく下げていることも多いと感じています。

「どうせまたどもる」という予期不安が積み重なると、話すこと自体を避けるようになり、コミュニケーションの機会が減っていきます。そうなると自信をさらに失い、症状も悪化しやすくなる、という流れが生まれやすくなります。この悪循環に気づくことが、向き合うための最初の一歩になります。

吃音症と向き合うために、今日からできること

吃音症は「完全に消す」ことを目標にするより、「症状と上手に付き合いながら、やりたいことをあきらめない」ことを目指すアプローチが、長期的には有効とされています。では具体的に、何から始められるでしょうか。

呼吸を整えることから始める

吃音症の症状が出やすいとき、多くの場合、呼吸が浅くなっています。ゆっくりと鼻から息を吸い、口からゆっくり吐き出す腹式呼吸を意識するだけで、交感神経の過緊張が和らぐことがあります。話す前に深呼吸を一回する習慣を持つだけでも、変化を感じる方は多いです。

「うまく話す」より「伝わればいい」という意識の転換

完璧に流暢に話すことをゴールにすると、どうしてもプレッシャーが大きくなります。「多少どもっても、相手に伝わればそれでいい」という感覚に少しずつシフトできると、話すことへの恐怖が和らぎやすくなります。実際、吃音があっても高いコミュニケーション能力を発揮して活躍している人はたくさんいます。

睡眠と自律神経のリズムを崩さない

自律神経は睡眠と深く関係しています。夜更かしや不規則な生活が続くと、交感神経が優位になりやすく、緊張しやすい体質になってしまいます。毎日同じ時間に起きること、就寝前にスマホを遠ざけること——こうした小さな習慣の積み重ねが、神経系の安定につながります。

専門家のサポートを活用する

一人で抱え込まないことも、非常に大切です。言語聴覚士によるリハビリ、心理士によるカウンセリング、そして体と脳の状態を整える治療院へのアプローチなど、専門家の力を借りることで、新たな気づきや変化が生まれることは少なくありません。「どうせ治らない」とあきらめてしまう前に、ぜひ一度相談してみてください。

子どもの吃音、親はどう関わる?

お子さんの言葉が気になり始めた保護者の方にも、ここで少しお伝えしたいことがあります。子どもの吃音に気づいたとき、「ゆっくり話して」「落ち着いて」と言いたくなる気持ちはよくわかります。ですが、それが本人に「自分はうまく話せていない」というプレッシャーを与えてしまうことがあります。

大切なのは、どもっていてもしっかり最後まで聞いてあげること。話の内容に反応してあげること。そして「話すことが楽しい」という体験を積み重ねてあげることです。親御さんがどっしりと構えていることが、子どもの安心感につながります。

もし症状が長く続いていたり、子どもが話すことを極端に嫌がるようになってきたと感じたら、一度専門家に相談することをおすすめします。早めに環境を整えてあげることが、症状の定着を防ぐうえでとても重要です。

当院のアプローチについて

兵庫宝塚カイロプラクティックでは、脳と自律神経の働きを整えることを柱にした施術を行っています。吃音症に特化した治療院ではありませんが、自律神経の乱れからくる発話への影響や、慢性的な緊張・不安・過緊張といった症状に対して、体の状態を整えることでアプローチしています。

「薬に頼りたくない」「いろいろ試してきたけれど変化がない」「体から整えてみたい」そういう方が、遠方からもご来院いただいています。一度、体と脳の状態を一緒に確認してみませんか。

吃音症は、正しく理解して、適切なアプローチを重ねることで、日常生活の質を大きく変えることができます。ひとりで悩まず、まずは気軽にご相談ください。当院はいつでもあなたの話を聞く準備ができています。


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院長:一色
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最後までお読みくださりありがとうございました。