吃音の原因は遺伝?性格?親のせい?3つの誤解を解消

「もしかして、私の育て方が悪かったのかな…」。お子さんの言葉がつかえるのを見て、そんなふうに胸が痛くなっているお父さん・お母さんはいませんか。あるいは、自分自身がずっとどもりに悩んできて、「これは自分の気が弱いせいだ」と諦めてきた方もいるかもしれません。

今日お伝えしたいのは、自律神経の乱れ吃音に深く関わっているという、まだあまり知られていない視点についてです。原因を正しく知るだけで、抱えてきた罪悪感や焦りがスッと軽くなることがあります。ぜひ最後まで読んでみてください。

院長:一色
院長:一色

「親のせい」「性格のせい」と長年自分を責めてきた方に、ぜひ届いてほしい内容です。原因を正しく理解することが、改善への大切な第一歩になります

「親のせい」「性格のせい」は本当に正しいのか

吃音について調べると、昔からさまざまな「原因説」が語られてきました。「親が厳しく育てすぎた」「子どもの頃に怒鳴られてトラウマになった」「内気な性格だから」……こうした説が今でも根強く残っていて、それを真に受けて自分を責め続けている方が本当に多いのです。

でも、現代の研究では、そうした「育て方」や「性格」は吃音の直接的な原因ではないことが明らかになっています。もちろん、環境やストレスが症状を悪化させることはあります。しかし、それはあくまで「引き金」であって、「根本的な原因」ではありません。

まず、この大前提をしっかり受け取ってほしいのです。「あなたのせいでも、お子さんのせいでもない」——この事実が、すべての出発点になります。

吃音はなぜ起きるのか、メカニズムを知ろう

吃音が起きるとき、脳と身体の中では何が起きているのでしょうか。話すという行為は、実は非常に複雑な神経回路の連携によって成り立っています。言葉を思い浮かべる、口や舌の筋肉に指令を送る、呼吸と声のタイミングを合わせる——この一連の流れが、ほんの一瞬でも乱れると、言葉がつかえてしまうのです。

吃音のある方の脳では、言語に関わる神経ネットワークの働き方が、そうでない方と異なっていることが画像研究でも確認されています。これは先天的な神経系の特性であり、本人の努力不足でも、育て方の失敗でもありません。

また、遺伝的な要因も関係しているとわかっています。親族に吃音のある人がいる場合、その傾向が受け継がれやすいことも研究で示されています。ただし、遺伝があるからといって「必ず治らない」わけではありません。ここも大事なポイントです。

自律神経の乱れが吃音に与える深い関係

私がカイロプラクティックの臨床を通じて、とくに注目してきたのが自律神経と吃音の関係です。「どうして整体の先生が吃音の話を?」と思われた方もいるかもしれません。でも、これは決して無関係ではないんです。

自律神経とは、心臓の動き・呼吸・消化・体温調節など、私たちが意識しなくても体を動かし続けてくれる神経のことです。この自律神経は、「交感神経(アクセル)」と「副交感神経(ブレーキ)」の2つがバランスを取り合うことで機能しています。

吃音のある方の多くは、話す場面で強い緊張や恐怖感を覚えます。このとき体の中では、交感神経が一気に優位になります。すると、筋肉は硬直し、呼吸は浅くなり、声帯や口周りの細かなコントロールがきかなくなります。これが、吃音の症状をさらに強めてしまう悪循環を生み出すのです。

緊張すると「余計にどもる」理由はここにある

「大切なプレゼンの前に限ってひどくなる」「電話が鳴るだけで体が固まる」——そういった経験はありませんか。これは意志の弱さでも、準備不足でもありません。自律神経が過剰反応しているからこそ起きる、体の正直な反応なのです。

自律神経のバランスが整うと、緊張場面でも体の過剰反応が和らぎ、症状が落ち着きやすくなることを、多くの方の施術を通じて実感してきました。「吃音だから整体に行く」というイメージはまだ少ないかもしれませんが、神経系へのアプローチという視点から見ると、じつは非常に理にかなったことなのです。

吃音の種類と、それぞれの背景を理解する

吃音には大きく分けて「発達性吃音」と「獲得性吃音」の2種類があります。それぞれ背景が異なるため、正しく理解しておくことが大切です。

発達性吃音——子どもの頃に始まるタイプ

もっとも多いのがこの発達性吃音です。2歳から5歳ごろ、言葉の発達が急速に進む時期に現れることが多く、言葉を話したい気持ちが神経系の発達スピードに追いつかないことで起きると考えられています。幼児の5人に1人が一時的に経験するといわれており、その多くは成長とともに自然に落ち着いていきます。

ただし、全員が自然回復するわけではなく、そのまま成人になっても持続する場合もあります。早期に専門家のサポートを受けることで、回復の可能性を高めることができます。

獲得性吃音——大人になってから起きるタイプ

一方、大人になってから突然どもるようになったという場合は、脳や神経系への何らかの影響(脳梗塞・頭部外傷など)や、極度の心理的ストレスが引き金になることがあります。このタイプは比較的まれですが、原因が異なるため対応方法も変わってきます。気になる症状がある場合は、医療機関への相談も並行して行うことをお勧めします。

親が「やってはいけないこと」と「できること」

お子さんの吃音を目の前にして、何かしてあげたい——その気持ちはとても自然です。ただ、よかれと思ってやってしまいがちなことが、かえって症状を悪化させることもあります。

まず、言い直しをさせることは避けてください。「ゆっくり話して」「もう一度言ってみて」という声かけも、子どもにとっては「今の話し方が間違っていた」というメッセージに聞こえてしまいます。話すことへの恐怖心が育ってしまうのです。

では、何ができるのか。もっとも大切なのは、最後まで穏やかに聞いてあげることです。目を見て、うなずきながら、あわてずに話を受け取る。それだけで、子どもの緊張はぐっと和らぎます。話す環境の安心感が、自律神経を落ち着かせ、吃音の症状にも好影響を与えるのです。

大人の吃音——一人で抱え込まないでほしい

子どもの頃から吃音があって、ずっと一人で抱えてきた大人の方も多いと思います。就職活動や職場の電話対応、初対面の挨拶……日常の随所で、どもりへの恐怖が積み重なっていく。その疲弊感は、経験した人にしかわからないつらさがあります。

でも、あなたの吃音は「努力が足りない証拠」でも、「性格の弱さの表れ」でもありません。神経系のクセであり、適切なアプローチで変えていける可能性があるものです。諦めてしまう前に、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。

カイロプラクティックから見た吃音へのアプローチ

私の治療院では、吃音そのものを「治す」と謳うことはしていません。ただ、吃音の背景にある神経系の過緊張や自律神経の乱れに対して、脊椎・神経へのアプローチを通じてバランスを整えることで、話すことへの恐怖感が和らいだり、日常の緊張が軽くなったりする方が実際にいらっしゃいます。

脊椎は脳と全身をつなぐ神経の通り道です。ここに歪みや緊張があると、自律神経の伝達にも影響が出ます。体の構造的なバランスを整えることが、神経系全体の機能回復につながる——これが、私が15年間施術を通じて実感してきた視点です。

吃音で悩んでいる方、あるいはお子さんの吃音が心配な親御さんが、「こんな相談もできるの?」と気軽に足を運んでくださることを、いつも歓迎しています。

まとめ——正しく知ることが、最初の一歩になる

吃音の原因は、親の育て方でも、本人の内気な性格でもありません。神経系の発達特性や遺伝的な背景が関わっており、さらに自律神経の乱れが症状を強めるという構造があります。この事実を知るだけで、長年抱えてきた罪悪感がほぐれていく方が多いのです。

「もっと早く知っていれば」という声もよく聞きます。でも、今日ここで知ることができた。それが大切なことだと、私は思っています。一人で悩み続ける必要はありません。どんな小さなことでも、まずは気軽にご相談ください。あなたの話を、きちんと聞かせてください。


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院長:一色
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最後までお読みくださりありがとうございました。