吃音の人との接し方|やってはいけない5つのNG対応

こんにちは、宝塚カイロプラクティックの一色です。日々多くの方の心と体のお悩みに向き合う中で、最近増えているなと感じるご相談のひとつが、身近な人の話し方についての悩みです。お子さんやご家族、職場の方の話し方に言葉のつまりや繰り返しがあり、どう接すればいいのか分からず戸惑っている方が本当に多くいらっしゃいます。

今日は吃音障害のある方への接し方について、当院の視点も交えながらお伝えしていきたいと思います。良かれと思ってかけた言葉が、実は相手を苦しめてしまっていることもあるのです。まずはその事実を知ることから始めましょう。

院長:一色
院長:一色

吃音のあるご本人だけでなく、周りで支えるご家族や職場の方からのご相談もとても多いんです。良かれと思っての声かけが逆効果になっていることも少なくないので、まずは正しい知識を持つことが大切だと感じています

吃音とはどういうものか正しく知ろう

接し方を考える前に、まず吃音そのものを正しく理解しておくことが欠かせません。誤った思い込みのまま接してしまうと、無意識に相手を追い込んでしまう可能性があるからです。ここでは吃音の基本的な特徴と、よくある誤解について整理していきます。

吃音の主な症状は3つのタイプに分かれる

吃音には大きく3つの症状パターンがあると言われています。「ぼ、ぼ、ぼくは」のように音を繰り返す連発、「ぼーーくは」のように音を伸ばす伸発、そして言葉がなかなか出てこない難発です。この3つのうち、特に難発は本人にとって非常に苦しい状態で、伝えたい気持ちがあるのに言葉が出てこないもどかしさを抱えています。周囲から見ると単に黙っているように見えるかもしれませんが、内側では必死に言葉を探している状態なのだと理解してあげてください。

「緊張のせい」「育て方のせい」は誤解です

吃音というと、緊張しやすい性格や親の育て方が原因だと思われがちですが、これは大きな誤解です。実際には脳の言語をつかさどる部分の働きの特性や、遺伝的な要因、発達段階での言語発達の急激さなど、複数の要素が関係していると考えられています。決して本人の気持ちの弱さや、家庭環境だけが原因ではありません。この誤解を持ち続けたまま接してしまうと、「もっと頑張って」「気持ちを強く」といった声かけをしてしまい、結果的に本人を苦しめることになってしまいます。

家族・友人・職場それぞれの立場で気をつけたいこと

吃音のある方との関わり方は、関係性によって少しずつポイントが異なります。ここではご家族、ご友人、職場の方という3つの立場に分けて、それぞれ意識してほしいことをお伝えしていきます。

ご家族として大切にしたい関わり方

お子さんに吃音の症状が出始めたとき、多くの保護者の方が「自分の育て方が悪かったのでは」と自分を責めてしまいます。でもそれは間違いです。まず心がけてほしいのは、話す速度をご家族側がゆったりとすることです。子どもに「ゆっくり話して」と言うのではなく、周りの大人自身がゆっくり話す環境を作ってあげてください。また、お子さんが話し終えるまで急かさずに待ち、話の内容にしっかり耳を傾けることも重要です。話が終わったあとに「〜だったんだね」と内容を繰り返してあげると、お子さんは「伝わった」という安心感を得られます。

  • 話す前に「ゆっくり」「落ち着いて」と声をかけない
  • 言葉を先取りして代わりに言わない
  • 話し終えるまで急かさずに待つ
  • 吃音以外の面でもたくさん褒める機会を作る
  • 兄弟姉妹がいる場合は交代で話すルールを決める

ご友人として意識したい距離感

友人関係の場合は、変に意識しすぎず、いつもと同じように自然体で接することが何より大切です。言葉が詰まったときに笑ったり、真似をしたりすることは絶対に避けてください。ちょっとした軽い気持ちのつもりでも、本人にとっては深く傷つく出来事になりかねません。相手が話し終えるまでじっと待ち、内容にしっかり反応してあげることが、友人としてできる一番の思いやりです。目を合わせて話を聞く姿勢も、安心感を与えるうえでとても効果的だと言われています。

職場の方として求められる配慮

職場では、電話対応や会議での発言、朝礼など声を出す場面で困難を感じる方が多い傾向にあります。上司や同僚としては、話す内容そのものを評価の対象にし、話し方の流暢さで判断しないという姿勢が求められます。また電話対応をメールやチャットに置き換えたり、発表の際に時間的な余裕を持たせたりといった具体的な配慮も有効です。本人がどのような場面で困っているのかを直接聞き、無理のない範囲でできる工夫を一緒に考えていく姿勢が信頼関係につながります。

これだけは避けたいNG対応

良い接し方を知る以上に大切なのが、避けるべき対応を知ることです。善意から出た言葉であっても、吃音のある方にとってはプレッシャーになってしまうケースが多くあります。代表的なNG対応を整理しておきましょう。

NG対応なぜ避けるべきか
「ゆっくり話して」と言う話し方を否定されたと感じ、余計に緊張してしまう
言葉を先回りして言ってしまう自分で話す意欲を失わせてしまう
「落ち着いて」と声をかける焦っているわけではないため的外れな指摘になる
言い直しをさせる自己肯定感の低下を招きやすい
心配そうな表情を見せる言葉にしなくても態度で不安が伝わってしまう

これらの対応はすべて「今の話し方ではいけない」というメッセージとして伝わってしまう点が共通しています。本人が一番求めているのは、話し方を指摘されることではなく、話の内容にきちんと耳を傾けてもらうことなのです。

体と心の両面から見つめることの大切さ

当院では吃音のお悩みを、単に話し方の問題としてだけでなく、体全体のバランスや自律神経の状態と合わせて見ていくことを大切にしています。ここでは、なぜそのような視点が必要なのかをお伝えします。

吃音のある方は、話すことへの不安や緊張が積み重なることで、知らず知らずのうちに体に力が入りやすくなっていることが少なくありません。特に喉や口周りの筋肉が緊張しやすい状態が続くと、余計に言葉が出づらくなるという悪循環が生まれることもあります。また緊張やストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になりやすくなります。これがさらに発話のしにくさに影響することもあるのです。体の緊張と心の緊張は密接につながっているため、話し方だけにフォーカスするのではなく、体全体を落ち着かせるアプローチが有効になる場合があります。

周囲の方ができることとしては、本人が安心して過ごせる時間や環境を増やしてあげることが挙げられます。深呼吸を一緒にしたり、ゆったりとした生活リズムを心がけたりすることも、緊張を和らげる一助になるでしょう。もちろんこれだけで吃音がすべて解消するわけではありませんが、周囲の理解と心身両面からのサポートが、本人にとって大きな安心材料になることは間違いありません。

一人で抱え込まず、まずは相談してみてください

吃音の人との接し方に悩むということは、それだけ相手を思いやっているということでもあります。完璧な対応をしようと気負う必要はありません。焦らず待つこと、話の内容に耳を傾けること、そして正しい知識を持って自然体で接すること。この3つを意識するだけで、本人にとっての安心感は大きく変わってきます。もしご家族やご自身が吃音のことで悩まれていて、体や心のケアという面からもサポートを受けたいと感じたら、どうぞ一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。私たちは、話し方そのものだけでなく、その方の体と心の状態にしっかりと向き合いながら、少しずつ自信を持って話せる毎日を取り戻すお手伝いをしていきたいと考えています。


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院長:一色
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